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褒められても素直に喜べないのは言葉を審査しているからかもしれない

褒められても素直に喜べないのは言葉を審査しているからかもしれない
褒められると「そんなことないです」が先に出てしまう。落ち着かないのは、その言葉を頭の中で審査しているからかもしれません。同意できないままでも使える返し方と、自分がどの審査をしやすいかを確かめる問いを届けます。

「その服、似合ってるね」と言われて、「いや、これセールで安かったやつで」と返してしまう。仕事で「助かったよ」と言われても、「全然です、たまたまなので」が先に口から出る。言ったあとで、相手に少し悪いことをした気分になる。

褒められて落ち着かなくなるのは、その言葉が正しいかどうかを、頭の中でその場で審査しているからかもしれません。そして、褒め言葉を受け取ることと、その内容に同意することは、別々にしてかまいません。

この記事では、そう考える理由と、同意できないままでも使える返し方を書いていきます。

褒められた瞬間に始まる小さな審査

褒め言葉を聞いたとき、頭の中ではいくつもの確認が一気に走ります。本当にそう思っているのか。気を遣って言ってくれているだけではないか。次に同じことを求められたら、応えられるだろうか。

こうした確認をしている間は、喜ぶための余白がほとんど残りません。「そんなことないです」という返事は、審査の結果として出てきた不合格の通知のようなものです。

審査は癖になっているので、やめようと思っても簡単には止まりません。止まらないなら、なぜ毎回不合格になるのかを一度見ておくと、少し扱いやすくなります。

不合格の理由はいつも自分の舞台裏にある

審査の材料になっているのは、たいてい自分しか知らない情報です。本番の前に何度も失敗したこと。前の日に焦って夜中まで作業していたこと。運よくうまくいった部分があること。

相手が見ているのは表に出た結果だけです。舞台裏を知っている自分から見ると、褒め言葉はどうしても実態より高い点数に見えます。点数が高すぎると感じれば、打ち消して下方修正したくなるのは自然な反応です。

謙虚さや慎重さの表れでもあるので、この審査自体を悪いものと決めつける必要はありません。ただ、審査の材料が舞台裏だけに偏っていることは、覚えておいていいと思います。

褒め言葉は相手が見た景色の報告

ここで一つ、見方を足してみます。褒め言葉は、あなたの実力を判定する採点表というより、相手が見た景色の報告に近いものです。

「似合ってるね」は、相手の目にそう映ったという報告です。「助かったよ」は、相手がその場で助かったと感じたという報告です。相手の目に映ったものや、相手が感じたことを、こちらが否定することはできません。

そう考えると、受け取るのに同意は要らなくなります。審査に通るかどうかは、脇に置いたままで大丈夫です。

自分ではそう思えなくても、「あなたにはそう見えたんだ」と受け取ることはできます。

自分はどの審査をしやすいか確かめてみる

審査の中身は人によって違います。褒められたときに頭に浮かぶ言葉を思い出して、どれに近いか確かめてみてください。

  • 「気を遣って言ってくれてるだけ」と思う
    相手の本心を審査しています。相手の気持ちは確かめようがないので、ここはいつまでも結論が出ません。
  • 「次も同じようにできるかな」と不安になる
    未来の自分を審査しています。褒め言葉が、次に越えなければいけないハードルに見えているのかもしれません。
  • 「たまたまうまくいっただけ」と打ち消す
    自分の実力を審査しています。舞台裏の情報がいちばん強く働いている状態です。

どれに当てはまっても、審査しているのは「今ここで言われたこと」の外側にあるものです。それが分かっていると、次に褒められたとき、返事をする前にひと呼吸置きやすくなります。

同意しなくても使える返し方

審査を脇に置いたまま返せる言葉を、いくつか持っておくと楽になります。

  • 「そう見えてたなら、うれしいです」
  • 「ありがとうございます。そう言ってもらえたこと、覚えておきます」

どちらも、内容に同意はしていません。相手が見た景色を受け取っただけです。

気をつけたいのは、「いやいや、全然です」と強く打ち消す返し方です。本人は謙遜のつもりでも、相手からすると、自分の見る目を否定されたように感じることがあります。せっかく伝えてくれた気持ちが行き場をなくしてしまうので、打ち消したくなったら、まず「ありがとう」だけ先に言ってみてください。否定するかどうかは、そのあとで考えても遅くありません。

心の中まで喜べなくても構いません。言葉を受け取ることと、気持ちが追いつくことは、たいてい別々のタイミングでやってきます。


ヨルノキモチについて

褒められたあとに残るもやもやは、「贅沢な悩みだね」と言われそうで、人に話しにくいものです。

ヨルノキモチは、恋愛・性の悩み・自分のことを、名前を出さずに書いておける場所です。うまく受け取れなかった言葉や、そのときの落ち着かなさを、誰にも知られずに書き残しておけます。投稿すると、AIがそっと言葉を返してくれる機能もあります。気持ちに余裕があるときは、ほかの人の投稿にひとこと返すこともできます。

最近かけられた言葉の中で、まだ受け取れずにいるものはありますか。

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※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。気持ちの落ち込みが強く続く場合は、専門機関へのご相談をおすすめします。


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